2008年12月14日愛知県瀬戸市 森の感謝祭2008 in Seto
2008年12月14日、愛知県瀬戸市定光寺にて「森の感謝祭2008」が実施されました。
これは日頃、私たちが利用させてもらっている森の樹木や土壌微生物、土壌動物に感謝の気持ちを込めて、灌水や土壌改良などをするものです。
当日は東京、神奈川、静岡、長野、岐阜、愛知、京都などから来たツリークライミング仲間が、森の感謝祭2008隊長である近ちゃんの指揮の下、熊手や唐鶴、備中、スコップ、堆肥、散水ホースを手に奮闘しましたので、その概要をレポートします。
このフィールドはNHK教育テレビ「モリゾー・キッコロ森へいこうよ!」で利用されたり、TCJの講習会でも使われたりしている場所でもあります。
土壌改良などをする前の森はアカガシやツブラジイ、アカシデ、コナラ、タカノツメ、ツバキなどが自生しており、それらの落葉落枝が一面を覆っていました。見た目では判りませんが靴底の柔らかいシューズを履いて全面を歩くと、所々に腐植層が欠落しているところや土壌が締め固まっているところがあります。
最初に土壌をほぐしたり、灌水したり、堆肥を散布する場所の落葉落枝を熊手(くまで)などで寄せ集めます。
この時に、あまり強く土壌表層を引き掻くと樹木の根を不用意に断裂させることがあるので、落葉と土壌の間にある腐植層はそのままとしておきます。
落葉を寄せ集め終わったら、唐鶴やバールなどで締め固まった土壌をほぐします。この時に力任せに土をほぐすと大切な根に損傷を与えるため、多少の細根は切れますが太い根が切れないよう慎重に作業します。
ある程度土壌がほぐれてきたら、灌水して土壌深層に水分やミネラル分を浸透させるとともに、土壌のほぐし効果を高めます。
土壌をほぐして灌水が終了し、一段落したところで、無農薬の牛糞堆肥を散布します。牛糞堆肥は無農薬と書かれていても多分、抗生物質などが含まれている可能性もあります。しかし良く完熟した牛糞堆肥であればそれらの自然に対する影響は比較的少なくなります。
堆肥のポイントは完熟していることで、もしも未熟で、臭いがきついものを散布すると逆効果になることが多いので、注意が必要です。
二回目の灌水が終了したら、最初の寄せ集めた落ち葉を全面に戻します。この時に出来るだけ箕などの容器に入れて運び、散布します。その場で地面を擦るように移動させると、これまでの作業が台無しになるので注意深く実施します。
ふだん何気なく利用している森、こうした「森の感謝祭」を通して見慣れた森を見直すことも重要です。 ジョンさんが言われるように「地球は大きな貯金箱」、その貯金をおろしてばかりになっていませんか? 大げさな機材が無くても、小人数でも、一人でも「森の感謝祭」はできます。是非、みなさんも小さいことから始めて、貯金箱に貯金できるようにしましょう。
レポート 副代表 川尻秀樹