アドバンスドツリークライマー®/ADVANCED TREE CLIMBER®

【受験資格】 MRS3修了者以上(または旧ツリークライマー以上)

【内  容】  熟練したMRSのスキルを有し、危険な木の見分け方や、クライミングレスキュー等、高度な技術と知識を持ち、TCJの検定試験に合格したツリークライマーにTCJ代表から与えられる資格です。

【日  程】 1日

【料  金】 ¥20,000-  ※学割りなし(再検定試験料¥15,000-)

【登 録 料】  ¥6,600-(永年有効)

アドバンスドツリークライマー試験内容

改定:2020/11/12

ギアチェック・インスペクション

・受験者は下記のギアを持参する。(すでに合格した種目用のギアは持参しなくてもよい)
・劣化、損傷が激しいものは試験に使用できない。
・ギアの数が足りない場合や、忘れた場合は試験を受けることができないので注意して準備すること。
・持参したギアの強度や保管、点検のポイントなどについて説明を求める。口頭により回答を要する。
・使用可能ギアはレクリエーションで認められているものであれば、下記以外の物も使用することができる。また下記数量以上に使用することもできる。(いずれも申告が必要) ただし個々の試験科目で規定されている場合は制限する。
□ ツリークライミングサドル  □ ヘルメット  □ MRSロープ2本(120ft以上)  □ トリプルアクション以上のオートロックカラビナ4枚  □ フリクションセーバー2本(うちリングセーバーは1本以上)  □ フットループ   □ ランヤード   □ エイト環 
□ スローライン2セット以上  □ レスキュー時のブレイクスコントロール用具(プーリー、プルージックループ、デイジーチェーン等)  □ ツリーボート  □ ボート延長用ロープ30ft程度(クライミング兼用不可)  □ ボート延長用カラビナ2枚以上(クライミングと兼用しないことが望ましい)

スローライン

・スローラインのスロー回数は練習2投まで、本番5投までとする。ハンドスローに限る(射出器具を使用しない)
・練習スローは、時間も含め試験の対象とする。ただしアンカーに入っても得点にはならず、練習終了後に回収する。
・練習は行わなくても良い。
・概ね手の届く高さでコントロールされている場合は、申告すればスローバッグを投げても作業とみなし、スローの回数には含まない。〔例:内包の除去作業時に、試験官に申告してスローバッグを股の向こう側へ投げる。〕
・あらかじめ設定されたアンカーポイント2ヶ所にスローラインをセットする。それ以外はポイントにならない。
・同じアンカーポイントには複数回設置しても得点は1回分のみとする。
・2ヶ所のアンカーポイントは、Hi12~14m(9点)とLow8~10m(6点)とする。2投目以降は1投毎に減点される。
・MRSをセッティングできる状態にしなければ得点とはならない。枝が内包した状態では認められない。セッティング可能な状態になっていれば、その部分以外のスローラインは他の枝にかかった状態でも良い。
・アンカーポイントのマーキングより内側(マーク上を含む)であれば、股の最深部でなくても良い。スローライン操作のみであれば修正を行うことができる。
・スローラインのポイントが認められた1ヶ所を、フリクションセーバーを使用してMRSが使用可能な状態にロープセットを行った場合は加点する。(5点) 使用するアンカーは2ヶ所のうちどちらでも良く、ロープ両端を同時に地面に接地させるのみで良い。
・スローラインセット、ロープセットは、試験官の確認を受けることによりポイントとなる。(複数のラインや末端を使用し、樹上が
煩雑になっている場合は、試験官にどのラインを用いてアンカーポイントとするかを示す必要がある)
・スローバッグ、スローライン、ロープ、フリクションセーバー等、すべて持ち込み数に制限なし。ただし、同時に使用できるスローラインは2本までとする。(地上にある使用していないスローラインは本数に含めない)
・制限時間は、試験官の開始合図から10分までがスロー可能時間とし、20分までにスローラインとロープのセッティング行う。スロー可能時間の終了は試験官より合図がある。
・樹上のギア類の回収は上記20分に含めないが、試験開始から25分以内に樹上にギア類が無い状態にする。樹上にギア類が残っている場合は失格とする。
・1スローでスローライン操作により、複数アンカーを取ってもよい。(1スローとカウントする)
・規定のアンカーポイントに直接入らなかった場合でも、スローライン操作により修正・セッティングを行うことができる。
・スローコールが無い場合およびスローバッグのみが飛翔した場合は失格とする。

アドバンスドツリークライミングスキル

・あらかじめ設置されているスローラインを使用して、MRSロープセッティング、クライミング、樹上にて2ndアンカースロー&MRS
セッティング、2ndMRSへ切り替え、ベル鳴らし2カ所を行う。ベル鳴らしの過程でリムウォクも審査する。クライミングダウン、ク
リーンアップまでのすべてを行う。
・ベルを鳴らす順番を指定する場合がある。(指定の有無は、試験日のインスペクションにて指示する)
・1stMRS用ロープと2ndMRS用ロープを別に用意すること。
・1stMRSアンカーはリングセーバーとする。1stMRSはベル鳴らし等トランズバースには使用しない。
・2ndアンカーポイントは、指定されている場合と指定されていない場合があり、指定された場合はそのアンカーポイントしか
認められない。(指定の有無は当日のインスペクションにて指示する)
・樹上でMRSセッティング後、そのMRSが地上までクライミングダウン可能か確認する必要がある。
・樹上での作業時(スロー・ロープセッティング・ベル鳴らし等)は、ランヤードで安全を確保し体の安定を保つ。
・1stMRS ⇔ 2ndMRSの切り替え時に、ランヤード等のバックアップがない場合は失格とする。
・樹上でのスロー時に、スローバッグが地面まで落下した場合は失格とする。
・基本制限時間は試験官の開始合図から、男性40分、女性50分とし、クリーンアップ完了までを行う。ただし、試験開始から
30分以内に2ndアンカー用のスローを完了できない場合は失格とする。(環境により制限時間の変更あり)
・クリーンアップは、あらかじめ設置されていたスローライン以外のものが、樹上に残っていない状況であれば完了と認める。
・制限時間の5分超過までは続行可能(-5点)。 この間にすべての内容を行う必要があり、行えなかった場合は失格となる。
・撤収時のロープ落下(スローラインを使用せずにロープを回収した場合を含む)は減点とする。
・使用するギア数は制限しない。ただしレクリエーションで認められたものに限る。

ツリーボート

・あらかじめセットされた2つのMRSを使用する。(ロープはTCJで用意し、あらかじめセッティングしてあるものを使用する)
・MRSのチェックやノットの調整後に、試験官の合図から試験開始とする。(各種コール・各種チェックのない場合は減点)
・指定の樹木間で、高さ(3~5m)の位置に1人でツリーボートセッティングを行う。
・試験開始後であれば、あらかじめセットされたロープ以外のロープをセッティングしても良い。
・ボートの固定は、一方は付属のストラップ、もう一方はロープによる延長とする。
・ロープ延長の方法は、MRS2に記載の方法(ジョンズノット)とする。(スキルアップ講習で指導している方法で行う。ダブルフィギュアエイト固定は用いない)
・試験時間は試験官の開始合図から30分とし、時間内にセッティング完了を受験者から試験官に報告する。(完了報告は樹上でも可) 30分を超過した場合は失格とする。迅速な作業には加点をする。(1~5点)
・ストラップの固定はターンバックルの中を通した後、ハーフヒッチして末端処理を施す。
・ツリーボートは試乗して、弛み等を確認することが望ましい。
・ツリーボートは、水平になるようセッティングする。

ツリーレスキュー

・樹上約5mに要救助者が居り、あらかじめセットされたスローラインを使用し、MRSによりハグレスキュー (自分と相手のブレイクスをコントロールして降りる方法)にて救助を行う。
・制限時間は、試験官の開始合図から15分とし、救助した要救助者のカラビナを外して、完了報告までとする。(要救助者を地上で搬送できる状態にする。) 安全かつ10分以内の救助完了は加点する(+2点)。
・要救助者の疾病受傷状況に沿った救助活動を行う。疾病受傷の想定は、インスペクションにて指示する。
・レスキュー開始時には、樹木や周囲の安全確認を行う。(試験官にその行動が判る様に告知する)
・受験者はビレイの他、必要な事柄を周囲に指示する必要がある。
・アシスタント役は1名とする。
・受験者がアシスタント役に指示をして行ってもらえる行為はビレイのみ。(要救助者の引き寄せなどはできない)
・ビレイの操作は詳細に指示をする必要がある。(いつ、どちらをビレイするか・速さ・作業位置など)
・受験者はクライミング時のセ-フティーノットを作らなくても良い(迅速性の重視)。ただし救助作業中は必要。
・要救助者の安全確保に努める。(特に頭部)
・急激な降下は減点。墜落に至るような危険行為や、毎秒50cm以上の急激な降下は失格とする。
  (アシスタント役が、指示通り作業できなかった場合はこの限りではない。)

【全体注意事項】

・各試験項目において、樹木と樹木周辺の安全確認を必ず実施すること。
・器具愛護と事故防止に努める。ギア類の踏みつけ(スローラインも含む)、乱暴な取り扱いは故意でなくても減点。
・各試験項目の配点は次の通り。それぞれが合格点数に達していない場合は不合格とする。スローライン20点(合格点12点)・ツリーボート20点(合格点12点)・ツリーレスキュー20点(合格点12点)・アドバンスドツリークライミングスキル40点(合格点24点)
・参加者同士での技術相談禁止、他の参加者の批判禁止、試験官に抗議をした場合は失格。
・樹上からギア類を落下させた場合はheadacheコールがあっても失格。ただし、インジャリーフリー※ の物は除く。
・試験開始後は終了まで試験フィールドを出ることはできない。(トイレ、忘れ物を取りに出るなどはNG)
・試験中の質問は認めない。ただし、時間はいつでも聞くことができる。(試験官は経過時間を返答する)
・レクリエーショナルツリークライミングで認められたギア・技術(MRS1~3)のみで行う。
・制限時間内に完了しない場合は失格。ただし、スローラインはギアの回収が完了していれば失格とならず、制限時間内の点数が認められる。
・必要と認められる場合は、試験官の判断で時計を止め試験を一時中断する場合がある。
・失格となる場合であっても、試験を続行する場合がある。
・オフロープは試験中止かつ失格とする。(ロープにテンションが掛かっておらず、1m以上の落下が予想される場合も含む)
・ロープの傾きが45度を超えた(45度より水平に近づいた)場合、試験官の判断により、1回目は警告(-10点)、2回目で失格となる。警告の場合は安全な状態まで戻ってやり直す。警告の前に自己申告し、やり直せば警告とならない場合もある。
・樹木の損傷は、折れた箇所の径10mm未満減点なし、10~25mmは-2点/本 減点、25mm以上は失格とする。
・必要なコールが、適切なタイミングでない場合や試験官に聞こえない場合(必ず試験官のコールバックを受ける)は減点とする。(オンロープ、クライミングアップ、クライミングダウン、オープンロープ等)
・必要な確認動作が無い場合は減点とする。(BARKチェック、バウンスチェック、カラビナのゲートチェック等)
・スローコールがない場合は失格とする。
・オフロープ以外でも、重大な事故が予想される場合は失格とする場合がある。(例:ランヤード、ツリーボート等のカラビナが閉まっていない。用法が大きく間違っている場合など)
・動作や完了の報告は確実に試験官に伝える。試験官のコールバックによりポイントとなる。
・樹上で何らかの作業をする時は、セーフティーノットならびにランヤードを使用する。
・MRSのカラビナ接続部はダブルフィッシャーマンズループとする。
※インジャリーフリー:ケガの可能性が極めて低いもの
  (スローライン・手袋・ハンカチ・セーフティーグラス等。ペンはインジャリーフリーではない)


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