熊野那智大社でクライミング
2003年3月21~23日に和歌山県の那智大社周辺で『熊野の森アート&ミュージックプロジェクト』が開催されました。そこで、”木にふれ、木に登り、木と友達になる。からだ全身で森を感じる体験プログラム”として、ツリークライミングを開催してきました。
場所は熊野古道特設広場(熊野那智大社~那智の滝中間地点)で、ツリークライミングジャパン代表ジョンさんをはじめ、川尻(じり)、後藤(ダン)、茶原(ちゃ~)の4人が、全国から那智に来られた方々や地元のカブスカウトを対象に行いました。
那智大社周辺は『紀伊山地の霊場と参詣道』として世界遺産に登録される予定であり、普段であれば簡単にクライミング許可がおりる所ではありません。今回は、宮司さんの特別許可のもとツリークライミングが実現しました。
まず、最初に熊野那智大社へ向かい、今回クライミングさせて頂く感謝と安全を祈願してお参りをしました。
那智大社に参拝
参加者の皆さんにクライミングを体験して頂くのは那智山周辺に散在するクスノキの大木3本でした。この3本の木に、スタッフ一同周辺の自然とクスノキにご挨拶をしてセッティングにかかり、枯れ枝のみ剪定してテイム・ツリーとしました。
これとは別に、ジョンさんは参道脇のスギ大木(樹齢約300年)に挨拶をした後、SRT(シングルロープテクニック)をセットしました。この木はムササビが利用しており、ムササビの集めた葉や、溜糞が見られたため、彼らを脅かさないように本来のクライミングポイントを下げて、参加者を待ちました。
また、このスギには枝が他の枝や幹と合体して覗き穴のようになっている所がありました。昔から山で生活する人々はこうした木を神や天狗や宿る『窓木』と呼んで崇め、保存してきました。
21日の参加者は、地元の家族連れはもちろん近県の人や、サンケイ新聞でツリークライミングがある事を知った茨城県や神奈川県の方まで多数でした。初めて体感したツリークライミングのすばらしさと、熊野の森の神秘さに楽しい時間を過ごした一日でした。
那智山青岸渡寺の宿坊に宿泊し、精進料理に舌鼓を打ちました。しかし、その夜のことです。窓を叩きつけるような猛烈な風と雨がフィールドを襲い、翌朝早々に撤収となりました。
二日目は急きょ、ジョンさんが室内で子ども達を相手に、ツリークライミングについて、自然とのふれあいについてお話をされました。子ども達は、ツリークライミングが出来なかったのは残念だけど、ジョンさんの話はとてもおもしろかった、ぜひツリークライミングをしてみたいと話していました。
帰りに、那智大社にイベントが無事終了した報告して、平重盛お手植えという大木クスノキの胎内めぐりをし、神社に参拝して帰路につきました。
TCJディレクター 川尻秀樹