ジョンさんによる「スローバッグなどに関する歴史」講座
去る2011年11月3日~6日まで岐阜県中津川市で、TCJランデブーが開催され、その中でジョンさんの「スローバッグなどに関する歴史」講座がありましたので、皆さんにも紹介します。
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ツリークライミングに使用するロープを樹上にセットする方法は、初期はモンキーフィストをロープスローするものでしたが、より高い位置にロープをセットしようとスローラインが考え出されました。
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1990年代のスローラインはパラシュートコードを利用し、その先端にゴム(ラバー)ボールを結びつけるものでした。
しかし、ゴムボールによるスローは、ダブルハンドによるスローであり、そのためかゴムボールの軌道は空中で放物線を描くように飛ぶ傾向がありました。つまり目標としたアンカーに対して真っ直ぐ飛ばないため、改良の余地がありました。
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ある日、ニュートライブのトムネスがオーストラリアに行った時、アボリジニーがカンガルーの陰嚢に砂を詰めて鳥を捕る技を見て、帰国後に散弾銃の鉛を入れたパウチを開発し、パラシュートコードにつけて利用しました。それをスローしてみると、飛翔距離もコントロールも格段に良くなっただけで無く、スローバッグが目標アンカーにより直線的に飛ぶことも分かりました。
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その後、スローラインの素材もスペクトララインやフリンギットと、より飛びやすくかつ滑りやすい素材が開発されたのです。
ところで、スローラインがいくら良くなっても、収納が美しくないとスロー時に問題になります。そこで、ジョンさんが1ストロークを長く、リズミカルにキューブ内にスローラインを収納して見せました。
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またパウチもスローバッグに変わり、ニュージーランドでは鉛は環境に悪影響であるため、内部をゴムラバーで覆いかつ内部素材も変更しました。それに加えて、スローバッグが樹上でスタックした(宿題状態の)場合に、スローバッグのリングが切れるような仕組みも導入されました。それと同時に、従来は12オンスとか16オンスとか重いスローバッグが主流でしたが、最近は8オンスから重くても12オンス程度と軽量化されました。
これらのスリーラインとスローバッグの改良によって、スロー方法もダブルハンド方式からシングルハンド方式に変化してきました。シングルハンドでスローするには「手首」が重要です。
スローする時の目標は、スローバッグが重い時には目標アンカーの50~60cm上を狙い、スローバッグは小さく軽ければ30cm上を狙ってスローするのがベストです。
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是非、皆さんもこれをマスターして、新たな樹上の世界を楽しんで下さい。
レポート 副代表 川尻秀樹