★ツリークライミング システム名称 移行について★

国内でツリークライミング実践経験のある方にとって MRS とSRS という言葉は、まだ馴染みが 薄いと思います。DRT 、SRTと言えば、この世界では常識中の常識、この用語の理解なくして実践する者はありません。
DRT = Double Rope Technique
SRT = Single Rope Technique
いずれも外見上からの表現であり、ある意味で誰にでも分かりやすい用語としてツリークライミングのみならずクライミングのあらゆる分野で世界的に使われてきました。ISAとATIでは2019年からアーボリスト・ツリークライミングの領域では この使いなれた基本的用語の使い方を変更し、これからは構造と機能面からその名称を下記の通り移行します。

DRT → MRS  Moving Rope System (ムービングロープシステム)
Moving: ロープが常に動くという構造と機能

SRT → SRS  Stationary Rope System (ステーショナリーロープシステム
Stationary: ロープは動かず常に固定(fix)されているという構造と機能

以後 これらの新しい用語を標準使用することになります。
見た目での認識と理解に基づく用語の使い方は、確かに分かりやすいのですが、アーボリスト、ツリークライミング の世界では、同じDRT、SRTでも近年、新しい器具やシステムの発達で複雑になり分かりにくくなってきました。ロープを使ってクライミングをする分野がたくさんある中で、アーボリスト、ツリークライミング だけがムービングロープを使用するので、それを明確にするため名称変更に至ったのです。

今後は DRT および SRT に代替する用語として MRS およびSRSの用語を標準使用とします。
機能的な側面からの表現となりMovingは、ロープが常時動くという構造と機能、Stationaryは、ロープは動かず常に固定されているという構造と機能となります。この両者の大きな相違、それぞれの特性による機能的な使い分け、注意を要する事項、力学的理解、そして利点と欠点、優位な点と弱点、これらを十分に理解した上で反復訓練に臨んでくだい。

なお、旧来の用語も引き続き各方面または商業的専門用語として、使われ続けることと思われます。用語を使うことが禁止というものでもなく、言葉は併用して使われていくものと思われますが、ツリークライミングジャパンでは新しいMRS SRSという用語を推奨することとします。

2019年4月  ツリークライミングジャパン 代表 ジョンギャスライト